事件

2階にいたら、外で猫バトルの声。
「まさか」と慌てて階下に駆け下りると、
和室の重い引き戸と、サッシの窓が猫幅だけ開いてる！
靴も履かずに外に飛び出して庭を見渡すと、
尻尾をふくらませたドラムの姿が。
コリズムちゃんと喧嘩したに違いない。
お医者さんから、くれぐれも興奮させないようにと言われているのに。
抱き上げると、息が少し荒い。
幸いすぐ落ち着いて、その後も発作は起こさなかったけど、
いやあ、あせった。
ドラムらしさが戻ったとは言えるけど、油断してた。
回復したらしたで手のかかるやつです。



何事もなかったように、リズムの横で寛ぐドラム。
なんで、あっちゃこっちゃ向くんだろ。





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もの真似上手の声変わり

ドラムの回復にいちばん役立ったのは、
ドラム自身の従順な性格と賢さだったと思います。
ご飯の食べ方と水の飲み方を忘れてしまったドラムに、
うちの奥さんは「ご・は・ん」と言って口を動かして見せ、
ご飯の前にドラムを連れて行っては辛抱強く、
食べる格好や飲む格好をして見せ続けましたが、
ドラムは「？」な顔をしながらじっくり見ては、
それを真似し、少しずつ覚えていきました。

いまでは、ドラムも朝になると、寝ているぼくたちの
口に肉球を押し当てて「ここを使う時間だよ」と起こし、
口をもぐもぐさせて催促するようになりました。
夕方は「ご・は・ん」と声を掛けると、
ニャーと返事をして口をもぐもぐさせ、
ご飯のお皿を置いてある所まで先導して行きます。
発病前より賢くなったようにすら思えます。

ひとつ不思議なのは、ドラムが声変わりしたこと。
言葉ではうまく表現できませんが、発病前と明らかに
鳴き声が変わってしまったのです。
見かけによらずかわいい声だったのに、
リズムの声に似た、ちょっと変な声になりました。
おしゃべりなリズムの声を真似たんでしょうか。



ただ問題は、甘やかしすぎていること。
テーブルの上で寝ることも許してしまっています。





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一喜一喜

まったく呼吸が乱れなくなって今日で3日。
食欲は旺盛です。体重も少しずつ増え始めました。
動きにキレが戻っています。目がクリクリしています。
窓辺に座って「外に行きたいよ〜」と鳴きます。
病院に行くとき、キャリーバッグに入れようとすると、
手足をふんばって抵抗するようになりました。
獣医さんに「やだよ〜」って言うようになりました。
ノビノビ、スヤスヤ眠ります。
一喜一憂の日々から憂がなくなって喜だけの3日間。
まだ心配は続くけど、家の中が明るくなってきました。

はやく「ドラム闘病記」の最終回を書きたいものです。
それと、間違いトイレ対策でベッドの上にかけている
ビニールシートを外したい。

ドラム、そこは巨大なトイレではない！



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慣れ

日光浴治療中。



人間もそうだけど、困ったことに病気にも慣れる。
軽い発作を起こして呼吸が荒くなっていても、
活動しようとしてしまいます。
食欲もあって、鰹節なしでもご飯を食べるようになったけど、
がっついてはハーハーしちゃうし。

ちょいボケ状態も続いていて、
トイレの上で寛いで、ベッドの上におしっこしたり。

毎朝病院に行ってネブライザーと肺の水抜き。
呼吸が荒い日は夕方にもネブライザー。
肺から取った水に血液が混じっていることもあります。
錠剤の薬は大人しく上手に飲んできくれるからいいけど、
いや〜大変。
出掛けることができません。

でも、手がかかる分かわいかったりもして。
こんなに気に掛けて暮らすのって、
ミルク飲ませてたころ以来だもんなあ。

最近嫉妬食いのせいか太り気味のリズムは
タオルを置いてる棚の上から「ここにいるよ〜」。
だから、そこに人間は行けないんだって。







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猫に鰹節

ごはんの時間になると「ごはんでしょ」と呼びに来て、
カリカリを発病前の半分くらいの量食べるようになりました。
ちょっと変な姿勢ですけど。

まだ器の水はいまひとつうまく飲めませんが、
なぜか洗面台だと飲めるので、蛇口から水を出して、
抱えて載っけてあげています。
まだ、自力で飛び乗るジャンプ力はないんです。
蛇口から水を飲むのが好きなリズムを見て、
飲み方を真似したらうまくいったのかも知れません。

ごはんには粉薬を混ぜているので、
味をごまかすために鰹節を振りかけてあげています。
うちでは人間の食べ物を食べさせないことにしているので、
初めて鰹節を食べるドラムは、
「なんじゃこりゃ、うめ〜」って感じで、がっついています。
食べたことないのに不思議ですねえ。
鰹節の威力はすごいと、改めて感心している次第です。

水が苦手な猫は自力で魚を食べることはありません。
猫の好物が魚だと思い込んでいるのは海に囲まれた日本くらいで、
本来は肉食だから、欧米のキャットフードは
たいてい小動物の肉が原料です。
猫が魚を好きなのは、古代エジプトでナイル川の魚を
与えていたからだという説を信じたくなりますが、
それでも鰹節好きの説明にはならない。
不思議だ〜。





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