ハリーとトント [お気に入り猫作品]
主人公のおじいちゃんがハリー。トントはその愛猫です。
ハリーは家族にも友人にも恵まれているんだけど、
ちょいと頑固で不器用なものだから、いつも寂しくて苛ついています。
そんなハリーが旅に出ます。トントといっしょに。
やさしいのにうまく話せないこともある。
やさしいのに助けてあげられないときもある。
やさしいから辛く当たってしまうこともある。
やさしいから逃げ出してしまうこともある。
人間ってややこしいなあ。
トントは特に何かをしてくれるわけじゃない。猫だからね。
むしろ手がかかったりする。猫だからね。
トントは人間たちのややこしさを少しほぐしてくれる。
そこにいるだけなのに。猫だからね。
この映画を初めて見たのは30年ほど前のこと。
まだ自分が猫好きになるとは夢にも思っていなかったけど、
猫好きの人のことは好きになりました。
猫の出る映画の中ではベスト1。
いままで見たすべての映画の中でもベスト10に入ります。
猫鳴り [お気に入り猫作品]
本や映画や音楽を人に勧めることはめったにありません。
なんか気恥ずかしいから。
特に本は、奥さんにしか勧めないと言っていいくらいです。
と言うわけで、これはオススメではありません。
間接的な自己紹介のようなものです。
こういうものが好きな人なんですよ、ってこと。
猫好きなら知っている方も多いでしょうから、気楽ですし。
古今東西、猫が重要な役割を果たす文学作品は数多くありますが、
ぼくはこの作品がいちばん好きです。
つまり、つい最近いちばんになったということです。
沼田まほかる『猫鳴り』。
あるがままの姿が人に生き方を示してくれる
という猫の不思議な力を見事に描いています。
猫好きにとって、前半は読み進めるのが辛い内容ですが、
後半は泣きっぱなしになってしまいます。
電車の中で読むのは危険です。