それでも猫は出かけていく/ハルノ宵子 [お気に入り猫作品]
吉本隆明の長女、つまり吉本ばななの姉であるハルノ宵子は
開店休業中の漫画家で、めっぽう文章が面白い。
そして猫好き。
吉本隆明も猫好きとして知られていたけれど、
ハルノ宵子はただの猫好きではありません。
世話をしている街猫たちの集会に参加したりもします。
『それでも猫はでかけていく』は、そんなハルノ宵子が
味な文章とイラストで綴った猫まみれな日常の記録。
ただし、そんじょそこらの猫エッセイとは深さが違います。
生と死を見つめ、コミュニティについて考える
社会思想の書でもあります。さすが吉本隆明の娘。
しかも、猫の飼い方のハウツー本としても、
こんなに実践的で詳しい本をほかに知りません。
特に、猫の性格別対処法や行動パターンの解釈と
傷病に関する知識が尋常じゃない。
豊富な経験に基づいているから、説得力抜群。
役に立って、ちょっと感動して、そしてますます猫が愛おしくなる、
猫と暮らす人におすすめの一冊です。
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ご報告 [お気に入り猫作品]
実は私、この度、第12回内田百閒文学賞優秀賞なるものを受賞してしまいました。
里海瓢一という筆名による短編小説『夕凪から』が受賞作です。
岡山県の郷土文化財団が主催する地域振興を目的とした公募賞で、
小説のほか評伝や紀行文も対象だし、
最優秀賞ではなく、3編選ばれる優秀賞の1つで、単独での出版もないので、
これで小説家になったとはとても言えないけど、
文豪と呼んでくれてもいいのだよ。
受賞4作品を一緒に掲載した作品集が3月に出版されるらしいので、
その際には改めてお知らせしますね。
とまあ、匿名でやってる猫ブログに書くことじゃないかなとも思ったのですが、
このブログを読んでくださっているみなさんは、ぼくの大切な読者でもあるし、
お知らせしたくてもここでしかお知らせできない人も多いので、
ご報告させていただいた次第です。
きみは登場しないけど、
猫がたくさん出てくるお話だよ。
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里海瓢一という筆名による短編小説『夕凪から』が受賞作です。
岡山県の郷土文化財団が主催する地域振興を目的とした公募賞で、
小説のほか評伝や紀行文も対象だし、
最優秀賞ではなく、3編選ばれる優秀賞の1つで、単独での出版もないので、
これで小説家になったとはとても言えないけど、
文豪と呼んでくれてもいいのだよ。
受賞4作品を一緒に掲載した作品集が3月に出版されるらしいので、
その際には改めてお知らせしますね。
とまあ、匿名でやってる猫ブログに書くことじゃないかなとも思ったのですが、
このブログを読んでくださっているみなさんは、ぼくの大切な読者でもあるし、
お知らせしたくてもここでしかお知らせできない人も多いので、
ご報告させていただいた次第です。
きみは登場しないけど、
猫がたくさん出てくるお話だよ。
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ドラゴンへの道 [お気に入り猫作品]
テレビを点けたら偶然「ドラゴンへの道」をやってたから何気なく観ていたら、
クライマックスの格闘シーンで野良の子猫が出て来ました。
ボロボロの子猫なんだけど、立会人のような存在で描かれていて、
この子の鳴き声を合図に闘いが始まったりします。
「猫の出る映画」リストに加えるほどではないけれど、
たぶんブルース・リーの動きを猫になぞらえるために
その辺にいた猫を使ったのであろうそのボロボロ加減が
妙にリアルで切なくてかわいらしくて、気に入ってしまいました。
中学のころ夢中になったブルース・リー。
ビニール管でヌンチャクを作って練習しました。
香港で撮ったカンフー映画はたった5本。しかも
1本は未完成で、生前に公開された作品は3本だけ。
子役で出たアメリカ映画やテレビドラマのほうが多いのに、
それでもぼくたちの世代の男子にとっては伝説のカンフースターです。
映画自体はストーリーも演出もユルユルなんだけど、
ブルース・リーはいま観てもかっこいい。
大学で哲学を学んでいたっていうのもグッとくるし。
享年33歳。息子も若くして怪死しました。
生きてたらどんな映画を撮ったんだろう。
ジャッキー・チェンと共演しただろうなあ。
アチョー!
ラストシーンの闘いの相手はチャック・ノリス。
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猫のいる日々/大佛次郎 [お気に入り猫作品]
この時代の猫好き文士の猫エッセイや小説って、
どこか冷たくて、あくまでも動物扱いの傾向があるんだけど、
この人の猫好きは桁違いで、毎日猫三昧、メロメロです。
そんな人の猫にまつわるエッセイと小説、童話だけを集めた
文庫ですから、どこを読んでも顔がほころびます。
当時の猫は3〜5年くらいしか生きなかったようで、
生涯に500匹くらい猫を飼ったと言う大佛次郎。
鎌倉に家が残っていて、
お向かいの別邸は週末茶房になっているんだけど、
多くの猫はこの2軒の家の庭に埋められたらしい。
と聞くとちょっと怖い気もするけれど、
大切にされた猫たちがたくさん眠っているわけだから、
きっと楽しい庭に違いない。
近いうちに行ってみたいと思ってます。
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生きる歓び/保坂和志 [お気に入り猫作品]
前回のブログで「生きる歓び」って言葉を使ったのは、
ちょうど保坂和志の同名小説を読んでいたところだったからです。
命が危うい状態の片眼が見えない子猫を拾った主人公が、
病院に連れて行き、回復していく過程で、
子猫から命の輝きを感じ取るというシンプルなお話で、
シンプルなだけに、生きることについての深い捉え方が際だった、
保坂和志らしい、いい短編小説です。
ドラムがこれからどんなふうに命を輝かせていくか、
楽しみになれました。
リズムは、甘え上手なドラムが大人しいものだから、
ここぞとばかりにぼくたちに甘えています。
ドラムのことは「なんか変だな」くらいに思っている感じで、
特に心配そうにしたり、不安げになったりはしていません。
猫って家族の状態に敏感だから、きっとドラムは大丈夫なんだと思います。
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ちょうど保坂和志の同名小説を読んでいたところだったからです。
命が危うい状態の片眼が見えない子猫を拾った主人公が、
病院に連れて行き、回復していく過程で、
子猫から命の輝きを感じ取るというシンプルなお話で、
シンプルなだけに、生きることについての深い捉え方が際だった、
保坂和志らしい、いい短編小説です。
ドラムがこれからどんなふうに命を輝かせていくか、
楽しみになれました。
リズムは、甘え上手なドラムが大人しいものだから、
ここぞとばかりにぼくたちに甘えています。
ドラムのことは「なんか変だな」くらいに思っている感じで、
特に心配そうにしたり、不安げになったりはしていません。
猫って家族の状態に敏感だから、きっとドラムは大丈夫なんだと思います。
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