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猫を抱いて象と泳ぐ/小川洋子 [お気に入り猫作品]

120204_小川洋子.jpg

ポーンという名の猫が登場します。
物語が始まってほどなくいなくなってしまいますが、
主人公の傍らには最後まで寄り添います。
主人公はリトル・アリョーヒンと呼ばれるチェス指し。
ポーンはその相棒であり、彼を支えるいくつかの存在のひとつです。
特別活躍するわけではありません。
ただそこにいるだけの猫です。
でも、それがなぜ猫でなければならないかは、
猫と暮らしている人にはわかるはずです。
美しい物語です。平易でありながら奥深い文章が、
読む者の心を物語の世界に静かに沈めていきます。
悲しい物語なんだけど、残り香は悲しくありません。
寓話なんだけど、身近に思えます。
古今東西、最も美しい物語のひとつだと、ぼくは思っています。


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コメント 13

あーる

小川洋子さん、『ブラフマンの葬送』を読んで、あの悲しさがちょっと苦手と思ったのですが、これはこれでちょっと読んでみたくなりました。
by あーる (2012-02-04 07:25) 

のの

猫が相棒・・のお話、結構ありますね。
猫でなければ出来ない仕事・・ですね。
by のの (2012-02-04 08:11) 

みいみ

チェスのお話なのですがチェスを全然知らなくてもその世界に入り込むことができました.私は小川洋子さんはこの本が最初でした,5冊ぐらい読めました.
by みいみ (2012-02-04 08:31) 

ふーみん

小川洋子さんの本読んだことないのですが
解説をよんで読みたくなりました。
by ふーみん (2012-02-04 11:36) 

パトラ

他の方のブログで紹介されていて、少し前に読んだのですが
切ない気持ちは残るけれど、美しさの残る本でもありますね。
by パトラ (2012-02-04 16:16) 

morichan

私もとっても好きな作品です。とにかく文章が美しい。
by morichan (2012-02-04 16:33) 

nana_hyr

小川さんの文章は静かなイメージがあります。
まだ読んだことがないけれど、積読が片付いた暁には・・・
by nana_hyr (2012-02-04 18:20) 

ゆうのすけ

泣いちゃいそうですね。^^;でも 面白そう!☆
by ゆうのすけ (2012-02-05 02:39) 

kurako

小川洋子さんの作品、好きです。
『猫を抱いて・・・』はチェスを知らない私でも入り込めました^^
by kurako (2012-02-05 08:19) 

MII

『ただそこにいるだけ』、とてもよくわかります。
本、読んでみたくなりました。
by MII (2012-02-05 11:20) 

nimama

読んでみたくなります・・・。
海外ミステリファンですが、猫の出てくるミステリも多くて楽しさ倍増ですね(^^)
by nimama (2012-02-05 17:40) 

ネム

私も読みました。
もともと好きな作家さんですが、このお話は昨年から何度か読み返しています^^
by ネム (2012-02-07 12:20) 

mikanpanda

私もこの本が好きです。
また読み直したい一冊です。
by mikanpanda (2012-02-09 19:04) 

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