安眠の安は安心の安

ねこと暮らしている友人たちから、
「パニックになって吐いちゃった」
「以来、高いところでじっと丸まって過ごす時間が増えた」
「余震があるたびに飛び起きて部屋の隅に逃げちゃう」
といった話が届けられる。かわいそうに。

うちのねこたちも数日は、おしっこが濃くなったり、
ぼくたちのそばを離れなくなったりしたけど、
いまではもう落ち着いて、いつも通りに過ごしている。
特にドラムは肝が太いのか鈍感なのか、
ぼくたちが余震に反応しても、びくともせず悠々と寝ている。
でも、そんなドラムを見ていると、
「きっと大丈夫なんだろうな」という気になる。
こっちが守ってもらっているような気になる。
「一緒に寝てよ」と言いたくなる。

眠れない夜が続いているであろう
被災地の人たちを思うと、いたたまれない。
平静を装った東京に暮らすぼくたちでさえ、
漠然とした不安から、ぐっすり眠れないというのに。

ドラムは、地震のことも放射線のことも知らない。
でも、だからぐっすり眠れるというわけではないのだと思う。
彼らのほうが、人間よりずっと危険には敏感なはずだから。

人に安心かどうかを聞く前に、
自分にとっての安心って何かを考えておかないと、
どんな答えが返ってきても何の判断基準にもならない。
今回学んだことの一つだ。

安心できる暮らしって、誰かが与えてくれるものじゃなくて、
自分で築くものなんだね、ドラム。

人間は生物の長なんかじゃない。
生きとし生けるものたちは、互いに寄り添いながら、
温もりを交換しながら、世界をかたちづくっているんだと思う。

被災者が、一日も早く安眠できる日常に戻れるよう祈りながら、
ぼくたちは、ねこたちと、自分たちの小さな日常を
しっかりと築いていこうと思う。


ドラムは子供のころから爆睡姿がオヤジっぽかった。

タグ：安心 眠り

コメント 4

お〜、シアワセを呼ぶ、ピンクの鼻先！
ピンクの鼻フェチには、たまんないっす♪
by のらん (2011-03-25 07:53) 

気持ち良さそうに寝ていますね＾＾
人間も自然の一部で、その自然は恵みをもたらしてくれたり、
今回みたいな壊滅的な破壊もしますね。
人間はもっと謙虚にならなくては…と思いました。
そして、もっとシンプルな生活に戻っても良いのかと感じています。
生きとし生けるものたちは、互いに寄り添いながら…。
仰るとおりですね。
by koume (2011-03-26 20:23) 

肉球が、ムチャクチャきれいでかわいいです☆
by JUNJUN (2011-03-27 01:14) 

みなさまnice、コメントありがとうございます。
ドラムの肉球はいまでもピンクですが、
残念ながら鼻は酒呑みのおっさんのようになってます。
by hisa (2011-03-27 11:47)